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降三世明王と血脈戦争

降三世明王はとあるアスラの兄弟にその起源がある。シュンバ (Śumbha)、ニシュンバ (Niśumbha) というアスラの兄弟である。

降三世明王はシュンバであり、勝三世明王は二シュンバである。三世とは時間、即ちシヴァ神のことであり、「三千世界の支配者シヴァを倒した勝利者」の意味。降三世はサンスクリット語で、トライローキヤ・ヴィジャヤ(三界の勝利者 Trailokyavijaya)という。

経典によっては、孫婆明王(そんばみょうおう)や十忿怒尊の内のシュンバ・ラージャ (Śumbharāja)という異名もある。


古代インド神話においては、兄弟の阿修羅王である。アスラ神族の兄弟シュンバとニシュンバは、かつて神々の最終兵器である女神ドゥルガーに倒された、阿修羅王マヒシャの弔い合戦として戦争を起こし三界をアスラ族の元へ奪還した。因みに、マヒシャは仏教化して大威徳明王となる。


ある時、ガンジス河でアムビカーという娘に出会い惚れたアスラ族のチャンダとムンダだったが、部下との婚約を、了承させるべく説得に来たシュンバにアムビカーは「戦いにおいて自分に打ち勝った者だけが私の夫になる資格がある」と告げ、自らの正体が女神ドゥルガーであることを明かした。かつて阿修羅王マヒシャを倒したのは、他でもない、ドゥルガーだった。


かくして戦争が始まった。序盤戦ではシュンバ・ニシュンバの軍勢はデーヴァ神族を圧倒した。しかし、ドゥルガーが戦場においてシュンバの部下、チャンダとムンダと戦った際、彼女の怒りから殺戮の女神カーリーが生まれて二人を倒した。黒色の女神カーリーの誕生で戦況は一変する。


しかし、シュンバの部下にはさらに強力な阿修羅ラクタヴィージャがいた。彼は血から自らの分身を作る能力を有していた。カーリーに傷つけられると流れた血から数多の分身の魔神を作った。さしものカーリーも苦戦した。そこで、カーリーは血の魔神達を全て飲み込み、ラクタヴィージャの血も飲み尽くして彼を絶命させた。吸血鬼の始祖であるカーリーの伝承はこの神話から生まれた。血を飲む時に舌を長く出したポーズは特に有名であり数多の神像に見られる。


ドゥルガーはその勢いで8つの分身マトリカスを率いてニシュンバを倒した。しかし強力なシュンバとの戦いにおいて戦いは膠着した。戦いを見ていて痺れをきらした他の神々、ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ、インドラが加勢、さしものシュンバも多勢に無勢、ようやくシュンバは倒されたのだった。


仏教の説話では、勝利者が逆になる。仏の教えに従わないシヴァと、パールヴァティー(ドゥルガー)に対して金剛薩埵は、真言を用いてシュンバに変身。シヴァとパールヴァティーを踏み殺した。そしてすぐさま生き返らせたので、シヴァとパールヴァティーは仏の教えに帰依したという。シュンバから孫婆明王(そんばみょうおう)や、後期密教の十忿怒尊のシュンバ・ラージャ (Śumbharāja)などの尊格が生まれた。


これら神話からは多くのことが読み取れる。

降三世(シュンバ)明王は三界の支配者のシヴァを踏み付けるのだから、時間(シヴァ)の克服者であろう。降三世明王の仏像はシヴァとパールヴァティーを踏み付けているが、踏み付けているものがインドの神像だと、降三世の位置にそのままパールヴァティー(カーリー)がスライドしている。どちらにせよ、シヴァは踏み付けられているのだ。


時間の克服は、おそらく寿命のことを言っている。それが恐竜という種しての寿命だとすると、2億5千万年から6500万年までの約2億年。横たわったシヴァ(時間)は長い時間を表しているのだ。彼らレプティリアンの不死性を表している。


注目すべきはラクタヴィージャである。彼の血からは数多の分身の魔神が誕生したが、これはラクタヴィージャの種族の子孫が繁栄したということだろう。個体としての寿命ではなく、種族の寿命。血は、かのアスラのDNAを顕れである。DNAは種族に受け継がれ分散し増える…しかし、その種族にしてもカーリーに喰われてしまう。


カーリーはその血を全て飲み干してしまうのだ。これは何を表しているのか?ここでカーリーが女性であることに注目したい。ラクタヴィージャがイラン系のアーリア民族だとすれば、非征服民族のドラヴィダ系の女性たちと婚姻関係を結ぶだろう。カーリーの怒りの形相は、性的に、或いは子孫を出産するために利用された非征服民族の女性の怒りを象徴しているのかもしれない。おそらく非征服民族の男性は全て殺されたのだろう。これは、死んだように横たわるシヴァからも推測できる。民族浄化などのジェノサイドは旧約聖書やナチス、共産主義などのレプティリアン起源の文化にはよく見られる。しかし、血を飲むカーリーからは、寧ろ逆にアーリア人を食らってやったというような民族的矜持が見てとれる。


仏教神話での降三世明王はシヴァとパールバティー(カーリー)を踏み殺した後に、即座に再生させている。降三世明王には「よみがえらせる」というスキルを持っていることがわかる。一度死んだもの(種族)をよみがえらせるのだ。つまり、降三世(シュンバ)明王に表されるアーリア人種は、一度ドラヴィダ人種を滅ぼしている。仏教説話は一度滅びた種族の復活を仄めかしている。アーリア人サイドからの弁明と言おうか、我々の民族の支配下でドラヴィダ人は生きている、と言いたいのかもしれない。それでも、アーリア人による民族浄化があったに違いない。その後、アーリア人種は祭祀であるバラモン社会を頂点とするカースト制を作り上げ、下層階級に混血ドラヴィダ人を組み込んだ。この手の儀礼と階級を重視する傾向は、レプティリアンによく見られる。フリーメイソンとそっくりな構造である。


問題はカーリーとの混血化を進めたために、アーリア人種の中に存在していたレプティリアンとの混血が増えてしまったことだ。これは純血を重んじる爬虫類種にとっては問題だった。ゾロアスター教で近親婚が推奨されたのは、アーリア人種にレプティリアンが潜んでいたことを意味する。ゾロアスター教では近親婚が推奨されていたというが、近親婚や一族同士の相互婚姻により血筋を維持している家系ネットワークがある。


「血は魂の通貨」とも言われているが、ラクタヴィージャはそれを体現している。血を媒介にして自らの意識を伝えていくことを表しているのかもしれない。レプティリアンは自らの血族に転生すると言われている。つまり、彼らの本体は亜空間にいる知性であり、肉体はこの重い物質次元の作業服のようなイメージである。宇宙服を着る宇宙飛行士のように、彼らは肉体を着て、ある目的のためにこの次元で活動する。なぜ血族に転生するかといえば、血が繋がったもの、DNAが同じだと意識が馴染みやすい、と推測される。また、血族ならば肝心の知識体系も先祖から受け継がれるからだ。


同じ原理のものに呪術でいう「転生の秘儀」がある。この秘術を用いているのがダライ・ラマ法王だが、転生仏は時間(シヴァ)を克服したと言えなくもない。


ほとんど言及されていない二シュンバだが、二シュンバとシュンバの兄弟神ないしは双子神の正体を、ダブルだとすれば納得できる。二シュンバは肉体であり、強力なシュンバは彼の霊体、ダブル。仙道でいう陽神であるとしたらどうだろうか?チベット密教でいうタルパの秘術である。降三世は時間、つまり寿命の克服と関係のある仏尊である。


カーリー(ドラヴィダ人)との混血化は肉体である二シュンバを殺害した。肉体が死んでも亜空間にいるであるシュンバの霊体は死なない。カーリーだけでは二シュンバを倒せない。それは、彼女じしんもレプティリアンの血がいくばくか混じり、いつのまにかその遺伝子的特徴が受け継がれてしまったことによる。これは、爬虫類種にとっては血と知識の流出であろうが、カーリーにとっては彼らを食べて彼らになった、とも言える。


吸血鬼の始祖であるカーリーだが、伝説ではレプティリアンも飲血をする。血を飲むのは、変身した種族の姿を保つためと言われている。人の血を飲む場合は人間の姿を保ち、人型の知能や心理を保つためである。


周梨槃特は大悟後に、自らの姿を変えて見せたと言われているが、また、周梨槃特が人としての知能を保っていなかった伝承。彼らの血族である可能性がある。


カーリーの長い舌はいったい何を表しているのだろうか?カーリーと同じく、仏の舌も長広舌と言われ、舌相が梵天の世界に届くほど長いと言われた。蛇やトカゲのように長い舌。アオジタトカゲやカメレオンの舌はやはり長い。しかし、現在の研究では、恐竜の舌骨は短く、複雑な動きはできなかったとされている。ワニの舌に近いと言われている。ワニの舌はあまり動きはしないが、かなり巨大なものだ。一部のグルメではワニ料理が流行っているようだが、一番人気は牛タンならぬワニタンである。かなりのボリュームがある。恐竜の口は下向きなので、ダランと舌を垂らしていたとしても不思議ではない。カーリーの侍女である羅刹女たちは牙が特徴的であり、爬虫類種であることを示唆している。


ドゥルガーはさらに8つの分身であるマトリカスを生み出している。この女神たちの発音はマトリックスと似通っていておもしろい。